無理なものは無理?
三鷹市、ファミリー歯科医院、院長の佐野真弘です。
本日こんな患者さんが来ました。
長い間、前歯しか噛んでいない状態で、奥歯がありません。
御覧のように前歯しか使っていないので、こんなに擦り減っています。
これ以上擦り減らないように被せてほしい、とのことでした。
しかもこの方、入れ歯を以前作ったことがあるようなのですが、入れ歯のばねをかけた歯がすぐダメになってしまった、ということで入れ歯はぜったいにイヤ、ということだったんです。
これには困りました。まずこんなに擦り減って低い歯になってしまっては被せることもできません。当然噛み合わせをもっと高くして全顎的治療をしない
と無理なのですが、それには奥歯がきちんと噛んでいることが条件です。しかし入れ歯は絶対だめだ、と決めつけてしまっていてどうすることもできません。
結局のところ、当院では治療はお断りしましたが、無理な注文を並べられても無理なものは無理です。
前歯には慢性的に非常に無理な力がかかっていることが予想されます。今まで擦り減ってくれてきたからこそ前歯たちはうまく負担から逃げることが出来たんだと思いますが、これで被せてみたらどうなると思いますか?
今ほど擦り減らないので、負担がかかりすぎ、
今度は歯が割れたり欠けたりすぐダメになると思います。
何回も説明したのですが、結局理解はしてもらえなかったようです。
出来る限り患者さんの希望通りに進めてゆきたいとは思いますが、信頼関係が築けないとやはり難しいな、と実感しました。
投稿日:2009年9月24日 カテゴリー:患者さんへのメッセージ